パルミー受講生の添削を一部ご紹介!第15回

こんにちは!パルミーです!

パルミーでは、月謝制の6ヶ月プランを契約されている方を対象に、2ヶ月に1回でプロの講師による添削・相談を開催しています!

今回の記事では、パルミーの添削に興味があるけど、まずはどんな風に添削されるのか見てみたい!という方へ向け、3人分の添削事例をご紹介します♪

※掲載している質問や回答は記事用に一部編集しています。


たばね先生による作品添削

配色が綺麗!近景・中景・遠景がしっかり描き分けられていてとても完成度が高いイラストです!

こちらの受講者さんは、主に以下のような点を課題に感じているそうです。

・視線誘導やコントラストを意識はしているが、明度を下げることに抵抗感あり全体が明るくのっぺりしたイラストになってしまう

・インスピレーションがわかない状態が続いている

・しかし、SNSのフォロワーも増やしたいから描かなきゃいけないと焦ってしまう

それでは、たばね先生による添削を見てみましょう!

たばね先生:
この度は沢山の講師のなか、当方をお選びくださいましてありがとうございます!

まずイラストを拝見していいなぁと思ったところを言わせてください!

・顔つきやポーズ、一目でポジティブなイメージが伝わります!
前の桜、中景、遠景のモチーフ選びから物語性を感じます
琥珀色の瞳の煌めきがとっても綺麗です!

またご依頼文の自己分析やそれを人に伝える文章力が素晴らしくて胸を打たれてしまいました。
こちらより素敵なイラストになるようにお手伝いさせていただきます!

‥‥

たばね先生:
【視線誘導について】
桜や人物と地面の桜との配置のバランスとても良いと思います。
手前の桜がいわば額縁のような役割を果たして人物に目がいきますね!
また目とセーラー服が寒色の中でアクセントが聞いていてgoodです!

大きなのっぺりの原因としては、桜がもやに見えてしまうくらい溶けてしまっている印象なので解像度を上げてみても大丈夫です。
もう少し桜をしっかり描きこんでからお好みでぼかし加工を行ってみてください。
引き付けやすさやクオリティがグンと高くなります。

‥‥

【明度を下げることに抵抗がある】

「暗い色を付けること」になぜ抵抗感があるでしょうか。

・絵がうまく完成できなくなるのではという不安からなのか
・影を入れる色・場所に自信がなさか
・単にその書き方に慣れていないからか

などそれに特化した対策を練れれば良いかと思います。

近年、逆光やコントラスト、陰影がカッコいいイラストが流行っていて、魅力的だなぁと思います。
私もそんなイラストが描きたくてそのジャンルのイラストを横に描いてひたすら描いてみました。

そして得た結果なのですが、やはり描き方の考え方や慣れの部分がが大きく感覚の部分なので、できるだけお伝えしますね。

大抵の人もしくはアニメに特化した日本人の目では
【ベースの色に、ハイライト+影を乗せる】という手法がポピュラーですので、
この手法に慣れた人ならば暗い色を付けることに抵抗があるのは当たり前なのかと思います。

近年のイラストは【明るい色をベースにし、暗い色を乗せる】というよりは
【暗い色をベースにして、明るい色を乗せる】という手法が流行っています。
もともと海外だと油絵などリアル系の絵が主流なので、陰影(シェーディング)が得意な傾向があります。

これの手法をイラストに落としこんだのが
【暗い(影になっている)色をベースにして、明るい色(光の当たる部分)を描きこむ】
という概念です。【影+ハイライト】ととらえてください。

私も最初この描き方に対して「顔に影を落とすこと」に抵抗感・違和感があり、
うまく表現できないなぁとなりましたが、
他のイラストを観察してみて「顔のかかる影だけ赤みのある色」にする等
自分が納得するように少しカスタマイズしてます。
また、顔が暗くなる絵をたくさん見たおかげで慣れてきたことも大きいですね。

‥‥

たばね先生:
このように全体を暗い色に明るい色を描くことで陰影についての抵抗自体を取り除くか、
もし「部分的に濃い色をつけることに抵抗」があるなら

・一旦影をつけて濃すぎたら透明度を下げる、少し明るい色にする
・乗算灰色で陰影をつけて部分的に色変えて調整する
・好きな色味のアニメを見て目を超えさせる

などがオススメです。

全体的に言えることは好きな絵師さんの影の入れ方の観察や
陰影に特化したアニメ作画を参考にして、陰影が好きになるまで見慣れることで
それが自信につながり試行錯誤を楽しみ、抵抗感がなくなることに繋がります。

(私の場合陰影や色塗りが好きななったのは新海誠がルーツです)

‥‥

たばね先生:
今回のイラストの場合にして考えますと全体的に薄紫で影がかかっていると見受けられます。
今回は部分的に調整を施すことでリカバリーが可能です。

この現状の色がすでに薄紫に影がかかってますので
勇気がいると思いますが上から「白の光を加筆することで」理想の雰囲気に仕上がるかと思います。

‥‥

▲白の光を加筆した部分

コツは、ところどころリズムカルに光を配置すること。
体の立体も意識してくださいね。

また、影も形を複雑にかけたほうがのっぺり防止になります。
ふわふわっと描くよりカリカリ刺繍をする、描きこむ感覚で行うと良いです。
髪の毛や頭も同様、ジグザグと複雑なアプローチをしています。

描いてから「あ、失敗しちゃったな!」と思ったらデジタルでは色彩で影色を変えたり、透明度で濃度調整が可能です。
気に入らない所は上から加筆したりも私は行っております。
臆せずドンドン挑戦しましょう!!

‥‥

【悩みに対する心構え】

今回相談いただいたお悩みについて、私が感じたことをお話ししますね。

・フォロワーを増やしたい
・描きたいものがない

の2つを同時に抱えて焦られているのですね。

この2つは別の問題ですので一旦切り離して考えましょうか。
(長いのでお暇なときに読んでいただければと思います)

【SNSのフォロワーを増やしたい】

どうしてフォロワーを増やしたいのか?
どうして絵を描くのか?

・自分の作品・表現を見てもらいたいから
・憧れの人みたいになりたい
・副業をするためなど
・絵を描くのが好きだから

でもSNSを開けば、フォロワーと仲良くなり作品RTで増やす人もいれば、
数年かけてで着々とフォロワーを増やす人も居ます。
また、一番わかりやすいのが、プロと大差ない画力で趣味で描いたりして
一気になん万人フォロワーもいる絵師さんとか色んな人が居ますよね。

私の場合もともと一人で遊ぶタイプだったとか、
絵を描くのが好きで自分が好きだと思うもの、
良いな!と思うものを沢山の人に絵で通して表現したいというのが絵を描く理由でした。

ただ、SNSはノリのよさや流行りのネタを瞬発的に出すことがウケたり、
自分のためになる情報を見たりするために使われます。

このように、一般では暇なとき気を抜いてるときににSNSを見るので
純粋な画力でフォロワーを増やすというのは
単純にフォロワーを増やす!という事は自分の信念とぶれて空回りしてしまうこともあるし
苦しくなってしまうし、焦らず楽しんでやり続けることを私は意識してます。

フォロワーを増やしたい!と思う場合はまず自分の視点に置き換えてみて
「どうして自分はこの人をフォローをするのか。」
「この人は自分にこんなメリットをもたらしてくれる」
と思ったことを自分にあてはめてみると自分のSNSの使い方がわかると思います。

本来自分のやりたいことと、メリットの掛け合わせが嚙み合わせられれば良いなと思うんです。
自分が人に与えられるメリットが何も思いつかない場合は
今回のイラストのように背景付きの季節を意識した絵を発信してみるのはいかがでしょうか。
季節ネタは鉄板ものです。

描いていくうちに「この人を応援したい」「見ていたい」と
思ってくれるフォロワーさんが増えれば最高ですよね。

私も趣味のアカウントで真面目な絵も交えつつデフォルメ絵も描いており、
デフォルメ絵を目当てでフォローされることが多いです。
(仕事帰りの時間に癒されたい方向けに夜にアップするのがミソです笑)

さて話を戻しまして、情報が多い世の中なので流れ続けてくる情報や風景、
心の状態や時間と流れの影響で本来の絵を描く自分がブレてしまうことがあります。

なので、ときどきなぜ絵を描くのかを再認識をしたり、
イラストを描くのが好きになったきっかけの絵師さんの画集や
最近読まなくなった本を読み返してみたり自分を振り返る時があります。

‥‥

たばね先生:
長文になってしまいましたが、
描きたいコンセプトをイラスト一枚で構成すること、目の今のテイストのような煌めいた目、
影に紫を使用するといった良い色彩に配慮できる作品作りをされて素晴らしいと思いました!

絵を上達させることは、今回は目の描き方を習った!
次は前回目の描き方を覚えつつ影のつき方!と
一段ずつ階段を上るのと同じ感覚です。

私も初めはこういう意図の絵が描きたい!ということは考えたことがありませんでした。
学生時代の勉強と10年ゲーム会社で務めてきて知識や技術は増えたのですが、
時代の流れと共にまだまだ勉強がしたい状態です。

なので焦る必要はございません。自信、持ってくださいね!

◆◆◆

確かに、最近メイキング動画などで暗い色をベースにする描き方を最近よく見ますよね!
コントラストに課題を感じている方はぜひ試していただきたいです!


炭酸水先生による作品添削

見ているこっちも元気になるくらいとてもさわやかなイラスト!
光を感じる筋肉の描き込みにもこだわりを感じて惚れ惚れします……♡

こちらの受講者さんは、主に以下のような点を添削希望とのことです。

・アオリの構図の時の目の形
・表情、動きが硬く見える
・この2キャラは同じくらいの身長の設定だが、パースが合っているか

それでは、炭酸水先生による添削を見てみましょう!

炭酸水先生:
この度はご依頼いただきありがとうございます。
イラストを拝見させていただいたところ、色塗りが卓越していて、
美術解剖学などもきちんと学習されているのだろうなという風にお見受けしました。
また、キャラクターへの愛も伝わるとても素敵なイラストですね。

長文で恐縮ですが、いただいたコメントやご質問については以下に記述しておりますので、
添付画像もご参照いただきながらご確認ください。

‥‥

炭酸水先生:
まず、人体への違和感の原因は、デッサンの狂いであることが多いです。
人の脳は見慣れているものに関して、見える情報から見えない部分も無意識に補填します。
そのため、見えない部分があったとしても違和感を覚えてしまうのは、その周辺の情報と記憶からデッサン(人体構造)に問題にあると判別しているからです。

今回の場合ですと、前腕と手の角度や位置に対して上腕が見えていないことから、
デッサン(人体構造)の狂いが生じてしまっています。

ご自身で試していただくと分かりやすいのですが、今回のアングル+手の位置や角度だと上腕が手の下から見えるようなアングルになります。

・腕は筋肉や骨組みの関係からとても複雑なため、動作に応じて筋肉の見え方(アウトライン)が変動すること
・関節を基準に放射状に動き、比率が固定されているので、身体は動作に対して整合性を取ること

このことから腕の描画は意外と繊細なため、違和感が生じた場合は資料を探していただくか、もしくは先述の通り自撮り写真や姿見を活用して自分自身で試してみると時短になり、
人物描写力がさらに上がるかと存じます。

サングラスが不自然に見える主な原因については、以下の3点になります。

・お顔の正中線とサングラスのブリッジがズレてしまっている
・パースが頭部とズレてしまっている
・ サングラスは前髪の生え際辺りに乗せるが、下の方に来てしまっている。
(イラストの見栄え的にその位置が良い場合は、片手で持たせるのも有りかと存じます。)

‥‥

炭酸水先生:
まず、細眉であれ、太眉であれ、眉毛の根本的な位置は変わりません。

ぜひご自身のお顔を触っていただきながらこの資料を見ると分かりやすいかと存じますが、
眉毛は眼窩(骸骨の目元のくぼみ)の形に沿うように、真上に位置しています。

ただ、手前のキャラクターのようには眉毛が吊り上がっている場合は、
眉が眉間(斜め下)に向かうため、眉頭〜目頭間が圧縮されます。
また、その際は必然的に眉尻の方が高い位置になります。

「眉毛の位置」は特に問題はないように見受けられ、違和感があるとすると、
目元周りの描き込み部分になります。

‥‥

炭酸水先生:
アオリに見えない一番の原因は、おでこと前髪が圧縮しきれていないため、
顔パーツが水平アングルから見たような印象になってしまっていることです。

アオリの場合、おでこの面積が圧縮され(フカンは逆)、髪の毛も必然的に見える面積が狭まっていきます。

また、奥の目に圧縮が掛かっているため、斜め顔であれば左右の目の大きさは同じにしていただくと、お顔のバランスがもっと良くなります。(目幅は圧縮する必要があります)

「目が笑っていない」という言葉があるように、表情が固くなってしまうのは、
眉毛と口は動いているものの目元が動いていないことが原因として多いです。

笑って口角が上がると連動して頬の筋肉も上がり、下瞼が逆反りします。
このワンポイントを加えるだけでも表情が柔らかくなります。

その他にお顔の印象をアップするため、鼻筋が通った絵柄の方が多かったこと、年齢に合わせて頭身を上げるため、鼻筋を長くしています。
また、眉上の表情筋や歯や口元の陰影などをちょっとだけディテールアップしてます。

実物の人間では、普段から「頭部~肩~腰(骨盤)~脚」とコントラポストが発生しているため、
常に動きがあるように見えます。
そのため、イラストでも動きを出そうとすると、そのコントラポストを付けてあげる必要があります。

今回のイラストの場合だと、コントラポストが付いているようで付き切れていないので、
肩・腰・頭部にそれぞれ傾きを付けてあげることで、動きが出るかと存じます。

ただ、頭部や脚に関してはポージングにもよるので、必ず付くとは言えませんので、
これも実際に自分で試してみてコントラポストが付くのか確認したり、
頭部に至っては、コントラポストを付けることで違和感が出るようであれば無理に付けなくても良いです。

また、全体のパースや配置については違和感を覚えませんでした。
奥のキャラと手前のキャラで身長差があるようにも見受けられましたが、
手前のキャラクターの頭部(アオリ)を修正することで、だいぶ身長が近づくかと存じます。

また、体型や身長がほとんど同じようであれば、頭部に対しての肩幅や身体の長さなど比率に注意してあげるのも、統一感を出すポイントになります。

アオリ構図の時のおでこと前髪の圧縮が足りない問題、なかなか自分では気づきにくいですよね…!
コントラポスト(肩と腰の角度)を調節するとポーズの説得力がぐっと上がりますね!


ナガラヨリ先生による作品添削

今回のイラストでは「ソシャゲの推しのガチャで大いに爆死してしまう5分前」を描いたとのこと。
この表情が絶望に変わるのを想像して、まるで自分に起きたことのように悲しくなりました…!(笑)

こちらの受講者さんは以下の点を課題に感じているそうです。

・空間を感じられる画面を作りたい
・色選びに自信がない
・印象に残らない、映えない仕上がりになってしまう
・自分のイラストを客観的に見ることができない

それでは、ナガラヨリ先生による添削を見てみましょう!

ナガラヨリ先生:
ご依頼ありがとうございます!
シチュエーションを考えて、背景までしっかり描き切っていてとてもすごいと思います!
今回、シチュエーションを分かりやすく伝えるには?ということを中心に添削いたしました。

「ソシャゲの推しのガチャで大いに爆死してしまう5分前」とのことなのですが、
ただスマホを眺めているだけの人に見えてしまいました。
この子に余裕を感じてしまうのとあまりオタクっぽくないのが原因かなと思いました。

‥‥

イラストは実際の様子と違って、かなり分かりやすく、かなりオーバーに演技させない第三者には伝わりません。
ですので、まずはしっかりボタンを押すポーズを取らせました。

次に、表情をもっと必死な感じにさせ、分かりやすいオフでのオタクの女の子の格好にしました
(メガネ、気を遣わない髪、推しのTシャツ)。
また、推しの写真がスマホケースに入っているのですが、これだと好きな男の子の写真にも見えてしまいます。
そこで、描くのであればしっかり推しのイケメンの顔も描き切り、実際のブロマイドに近いポーズも取らせるといいと思います。

また、背景がおそらく自室だと思うのですが、きちんとし過ぎて図書館にも見えます。
実際は全員そうとは限りませんが、分かりやすく女性向けオタグッズに囲まれる部屋にしました。
本も漫画ばかりだとオタクっぽい部屋になると思います。
推しがおそらく青色キャラなので、部屋も女の子も青色に囲まれててもいいと思います。

現実世界の日常の出来事なので外国人でなければ、目は緑ではない黒っぽい色にした方がいいです(ファンタジーならあり)。

まずは、「シチュエーションをしっかり伝えられるには?」に注力して考えてみてください。
色使いは良くないとは思いませんが、表現したい絵に必要な色が選べていないように思います。
なぜ黄色のTシャツなのか、なぜ緑のスマホケースなのか、なぜ緑の目なのかなど説明出来る色を選んでみてください(推しが青色だから青に囲まれる部屋と格好、日本人だから黒っぽい目など)。
考えて言語化出来るようになってくると、次第に映える絵や色選びも出来るようになってきます。

>漠然とした不安要素ばかりで自分のイラストを客観的に見ることができません。
客観的に見るには他人に絵を見せるのが1番です。
他人に絵を見せて、このシチュエーション分かる?と聞いて1秒で分かって貰えるようになればかなり絵が上手くなっていると思います。

‥‥

構図の別案も考えてみました。参考になれば幸いです。

絵を1枚最後までしっかり描き切る姿勢がとても良いので、シチュエーションについての考え方を意識するだけで大きく伸びると思います!

引き続き頑張ってください!

◆◆◆

同じシチュエーションでも、色んな見せ方が考えられそうですね!
これを読んでいるみなさんも「シチュエーションをしっかり伝えられるには?」を意識してみてください!


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